第7回 実行機能障害

認知症って?

健康な人は頭の中で計画を立て、予想外の変化にも適切に対応しスムーズに進めることができます。ところが認知症になると、計画を立てたり按配をしたりすることができなくなります。でも、認知症の人は「何もできない」訳ではありません。一つひとつのことは上手にできます。周りの人が按配をし、補助してあげることが、認知症の人には必要な支援です。手助けをしてくれる人がいれば、その先は自分でできることがたくさんあります。
 認知症になると、その先の状況が読めなくなります。自分の感情を表現した時、通常の周囲の人の反応は想像がつきます。しかし認知症の人は、周囲の人が予想しない、思いがけない感情の反応を示す場合があります。それは認知症による記憶障害や見当識・理解・判断障害のため、周囲の刺激や情報に対して正しい判断ができなくなっているからです。
「オヤッと思ったら直ぐ専門医へ」

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第6回 理解・判断力の障害

認知症って?

認知症になると、ものを考えたり理解したり判断することにも障害が起きてきます。具体的な現象では以下の変化が起こります。①考えるスピードが遅くなる(時間をかければ自分なりの結論が出るので、急がせないことが大切です)。②二つ以上のことが重なるとうまく処理できなくなる(一度に処理できる情報の量が減ります。必要な話はシンプルに表現することが大切です)。③些細な変化、いつもと違う出来事で混乱を起こしやすくなる(夫や妻の入院で混乱したのをきっかけに認知症が発覚する場合があります。予想外のことが起きたとき、補い守ってくれる人がいれば日常生活は継続できます)。④観念的な事柄と現実的・具体的な事柄が結びつかなくなる(「糖尿病だから食べ過ぎはいけない」・「倹約は大切なこと」と分かっていても、目の前のお饅頭を食べてしまったり、セールスマンの口車に乗って不必要な高価なものを購入してしまったりします)。また、目に見えないメカニズムが理解できず、自動販売機や自動改札、銀行のATMの前などでまごまごしてしまいます。
「アレ! おかしいなと思ったら、すぐに専門医へ」

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第5回 見当識障害

認知症って?

見当識障害とは、現在の年月や時刻、自分がどこにいるかなど基本的な状況を把握することに障害を生じることを言います。記憶障害と並んで早くから現れる障害です。時間に関する見当識が薄らぐと長時間待つとか、予定に合わせて準備することができなくなったりします。もう少し進行すると、時間感覚だけでなく日付や季節、年次におよび、何回も今日は何日かと質問する、季節感のない服を着る、自分の年齢が分からないなどが起こります。また、進行すると迷子になったり、遠くに歩いて行こうとします。
過去に獲得した記憶を失うという症状まで進行すると、人の生死に関する記憶がなくなり周囲の人との関係が分からなくなります。80歳の人が、30歳代以降の記憶が薄れてしまい、50歳の娘に対し、姉さん、叔母さんと呼んで家族を混乱させたりします。また、とっくに亡くなっている母親が心配しているからと、遠く離れた実家に歩いて帰ろうとすることもあります。
「アレ! おかしいなと思ったら、すぐに専門医へ」

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第4回 認知症の症状-2

認知症って?
中核症状としては、記憶障害・見当識障害・理解判断力の障害・実行機能障害・感情表現の変化などがあります。
「記憶障害」……年をとるとともに新しい情報を捕まえたり、納めておいたり、その情報を取り出したりすることに手間取るようになります。「物覚えが悪くなった」とか「ど忘れが増えた」というのはこのためです。ところが、認知症になると記憶機能が病的に衰えてしまうため、情報を納めておくことができなくなります。新しいことを記憶できず、つい先ほど聞いたことさえ思い出せなくなります。さらに病気が進行すると、覚えたはずの記憶も徐々に失われていきます。
「認知症」と「物忘れ」の見分け方の例として、「昨晩の夕食に何を食べたか思い出せない」のは物忘れ、「夕食を摂ったかどうかそれ自体を思い出せない」のが認知症、と言われています。
次回は「見当識障害」についてです。

中核症状としては、記憶障害・見当識障害・理解判断力の障害・実行機能障害・感情表現の変化などがあります。

「記憶障害」……年をとるとともに新しい情報を捕まえたり、納めておいたり、その情報を取り出したりすることに手間取るようになります。「物覚えが悪くなった」とか「ど忘れが増えた」というのはこのためです。ところが、認知症になると記憶機能が病的に衰えてしまうため、情報を納めておくことができなくなります。新しいことを記憶できず、つい先ほど聞いたことさえ思い出せなくなります。さらに病気が進行すると、覚えたはずの記憶も徐々に失われていきます。

「認知症」と「物忘れ」の見分け方の例として、「昨晩の夕食に何を食べたか思い出せない」のは物忘れ、「夕食を摂ったかどうかそれ自体を思い出せない」のが認知症、と言われています。

次回は「見当識障害」についてです。

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第3回 認知症の症状

認知症って?

認知症の症状には、中核症状と行動・心理症状があります。脳の細胞が壊れることによって直接起こるのが、記憶障害・見当識障害・理解判断力の低下・実行機能の低下など中核症状と呼ばれます。これら中核症状のため周囲で起こっている現実を正しく認識できなくなります。また、本人がもともと持っている性格・環境・人間関係などさまざまな要因が絡み合って、うつ状態や妄想のような精神症状、日常生活への適応を困難にする行動上の問題が起こってきます。これらを行動・心理症状と呼ぶことがあります。このほか、認知症にはその原因となる病気によって多少の違いはあるものの、さまざまな身体的症状も出てきます。特に血管性認知症の一部では、早い時期から麻痺などの身体的症状が合併することもあります。アルツハイマー型認知症でも、進行すると歩行がうまくいかなくなり、終末期まで進行すれば寝たきりになってしまう人も少なくありません。

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第2回 認知症とはどういうもの?

認知症って?

認知症とは、いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったためにさまざまな障害が起こり、(およそ6か月以上継続して)生活するうえで支障が出ている状態を指します。認知症を引き起こす原因のうち、最も多いのは、脳の神経細胞がゆっくりと死んでいく「変性疾患」と呼ばれる病気です。アルツハイマー病、前頭・側頭型認知症、レビー小体病などがこの「変性疾患」にあたります。続いて多いのが、脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化などのために、神経の細胞が死んだり、神経のネットワークが壊れてしまう脳血管性認知症です。認知症は病気の一つです。

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第1回 誰もがなるかも知れない病気

認知症って?

私が真似事で介護し見送った父親の死後、生前お世話になっていた介護老人施設で、週4回お手伝いをさせていただくことになりました。施設ご利用の方々と接するうちに、自分の認知症に対する知識不足を痛感。このままでは認知症の方やそのご家族に失礼だと感じていたとき、新聞で「認知症サポーター養成講座」を知りました。講習を受けると「認知症」に対するイメージが大きく変わり、知識を深め正しく理解することの大切さがわかったのです。
高齢化で認知症の人は増加していくと予想されています。あなた自身もなるかもしれません。知らないと腹が立ったり、お互いが傷ついたりしがちです。認知症の方やご家族が安心して穏やかに暮らしていけるよう、一人でも多くの方に、正しい知識を持ち見守っていただきたいと願い、本連載を始めることにしました。
「認知症サポーター養成講座標準教材」と私の少しばかりの経験をもとに進めていきたいと思います。

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