❹ 地元を知る七福神巡り

木田佳孝「道草のすすめ」

 毎年、新年を迎えると開運と銘打って全国各地で、その地の七福神巡りが企画される。七福神に指定されている寺社は地元では由緒あるもの。その土地の歴史、特色、地名の由来などをうかがい知ることができ、7つの寺社を訪ねると、少しばかり利口になった気がする。私は小説家志望のため、7つのうち唯一の女神である弁財天に祈念している。元は水の女神であったが川の流れる音から音楽の女神になり、音は言葉に通じることから学問・知識の女神という存在だ。広く芸技を目指す人が願をかける。
 日野七福神の弁財天は、あの有名な高幡不動尊。弁財天は上野不忍池や吉祥寺・井の頭公園内に祭られており、ちょっと道草、有名スポットに足を向ければ、願をかけることができる。地元の七福神で自分の願いごとに見合った寺社(例えば財運は毘沙門天など)に祈るとささやかな幸せに浸れる。

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❸ 歩いて雰囲気を体感

木田佳孝「道草のすすめ」

 全国各地に小京都と呼ばれる古都がある。北陸の小京都・金沢が有名である。文字通り京都程は神社仏閣が大規模に散在していないが、それなりに神社仏閣や由緒ある街並みなどが残っている都市のことを指す。
 東京にも小京都はある。あまり知られておらず、穴場かもしれない。京王線に千歳烏山という駅があるが、そこで下車し、少し歩いて中央高速道路の下をくぐった所あたりから神社仏閣が道路の両側に次々と現れてくる。
どんなお寺かなとゆっくりと歩を進めていくと、高速道路があったことを忘れる程、静寂に包まれてくる。各寺の正門横にある立て看板を読みながら、静寂の中でじっくりと各寺の歴史を学べる。こうした雰囲気は実際に歩いてみないと体感はできない。他人の感想やガイドブックに頼らずにとにかく歩いてみよう。穴場である程、貴重な体験で、他人に吹聴したくなるものである。

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❷ ルートを変えよう

木田佳孝「道草のすすめ」

 西武新宿駅から歩くと、実は新宿駅よりも新大久保駅の方が近い。山手線の大きなガードをくぐって線路沿いに歩いていくと大久保通りに突き当たり、新大久保駅に着く。この時、大久保通りに突き当たり、新大久保駅とは反対の左に行くと皆中稲荷神社がある。少し奥まった所にあるので、あることを知らないと通り過ぎてしまう。江戸時代、ある鉄砲隊が稲荷の霊夢により百発百中の腕前に上達したことが起源。皆中は「みなあたる」の意味で、地元では願い事がかなうと有名な神社だ。西武新宿駅が新大久保駅に近いことを発見した時に、ぶらぶら歩いていて見つけた。
 ガイドブックで拾うのではなく自分の足で発見することに意義がある。
 ルートを決めると変えないで習慣化することが多くないですか。発見は途中下車したり回り道したりした時に起きる現象。違った視点による発想の源点ともなるのです。

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❶ 道草のすすめ

木田佳孝「道草のすすめ」

 道草は私の座右の銘である。現在の日本人は経済成長時代に身に付けた効率重視の行動をとる人が多い。インターネットで調べて目標地点に最短で行くわけだ。道草は目標地点に行くまでに迂回したり、何度も立ち止まったり、効率とか最短とは全く無縁。例えば、桜の名所・千鳥ヶ淵と靖国神社。最寄り駅は東京メトロの九段下だが、JRの市ヶ谷、飯田橋、水道橋のいずれの駅からでも歩いていける。歩くと道沿いの建物、樹木、公園、記念碑、仏像などが眼に入り、心の癒しになると共に、発想の転換を促す。目標に向かって真っ直ぐ進む経済成長時代の考え方は限界で、そこからの転換を図る時代になっていることを日本人は肝に銘じてほしい。
 新しい視点は歩くこと、特に道草の中から生まれる。歩くことは運動不足の解消にもなり、最も身近な健康法だ。次回から道草の効用を具体的エピソードを交え楽しむ。

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